Classiques japonais avec furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 320 caractères · 398 écrans
秀吉はすこし腹をたてた。
「何を笑う。わしの問いが何でおかしいか?」
すると急に恐懼して、ひとりが謹直に答えた。
「この船は、七百八十石積みで、三本帆檣。ただ今、これで朝鮮まで行けるやとのお訊ねでございましたが、高麗、大明はおろか、安南、柬埔寨、婆羅納、暹羅、高砂、呂宋、爪哇、満剌加はいうに及ばず、遠くは奥南蛮から喜望峰の岬をめぐり、大西洋へ出て、西班牙、葡萄牙、羅馬、どこへでも、行けば行けないところはございませぬ」
「ふ……ウム」
秀吉は、すこし鼻白んだ。
彼らの親切な説明によって、この船の力も、可能な航海の範囲も、分ることはよく分ったが、同時に、自分の幼稚な愚問に気がついたからである。
「南蛮南蛮と、よくひと口に申すが、いったい、それらの国々のどこをさして、南蛮ととなえおるか」
こんどは平凡を旨として質問した。答える方も平凡にいう。
「呂宋、爪哇、婆羅納、安南、暹羅あたりまでを総じて南蛮諸国と申し、また島々とよび、満剌加から先、臥亜などを奥南蛮とも申しております」
「臥亜とはどこか」
「天竺でござります。てまえどもは印度といっておりまする。臥亜には東印度総督がおりまする」