Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 903 caractères · 400 écrans

Aozora Bunko

雛の客

雛の客

備前岡山の城はいま旺んなる改修増築の工事にかかっている。

ここの町を中心として、吉備平の春を占めて、六万の軍馬が待機していた。

「いったい戦争はあるのかないのか」

熟れる菜の花を見、飛ぶ蝶に眠気を誘われ、のどかな町の音響や、城普請の鑿の音など聞いていると、将士は無為に飽いて、ふとそんな錯覚すら抱くのだった。

三月上旬の三日。――すでにかの甲州方面では、信長、信忠の指揮下に、大軍甲信国境からながれこんで、ちょうどこの日、武田勝頼は運命の非を知って、その拠城新府にみずから火を放ち、簾中そのほか一門の女性までが、天目山のさいごへさして、炎々の下から離散を開始していた日である。

だが、ここの岡山は、折ふし上巳の節句とて、どこのむすめも女房たちも、桃の昼に化粧をきそい、家の内には、宵に燈す雛まつりの灯や、盃事の調べなどして、同じ天の下ながら、地上はまるで別な世かのように平和であった。

「おや。お早打が」

二騎、町木戸から、ほこりを立てて、城門の方へ駈け去った馬蹄の音にも、さして事々しく、天下の急変の前駆とは、耳そばだてる者もなかった。

――が、城門の前へ、弾丸のように駈けついた使者は、