Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 903 caractères · 400 écrans

Aozora Bunko

しかし楽屋では、同時に、それどころでない騒ぎが起っていた。――というのは、梅若の能の失態にたいして、信長から、

「大切な尊客の前において、不用意なる能をお目にかけなどしたは、醜しき曲事たるばかりでなく、芸者として、平常の心がけの不つつかによる。芸道の鍛錬も、武家の兵法も、変りあるべきでない。見せしめのため、梅若太夫の首を刎ねい」

という叱責が、家臣菅屋九右衛門、長谷川竹の両人から厳かにここへ沙汰され、楽屋中の者は、色を失って、打ち顫えながら詫び入っていたところなのである。

家康のとりなしで、後にようやく、信長も怒りを解いて、

「ゆるしおく」

とはいったが、そのため、一時はみなどうなるかと、きょうの宴楽も仇に思われたほどだった。

しかし、他人が衝撃をうけたほどは、信長自身は、その不快をいつまでも持っているわけでもなかった。その証拠には梅若の過怠をゆるすと、

「褒美を惜しんでの叱言にはあらず――」

といって、森蘭丸を楽屋へやり、幸若同様に梅若へも、金子拾枚の祝儀を与えている。

また、こういう歓待の行き過ぎもひとえに信長が客へたいしての、誠意のあふれにほかならないと思われる例には、その翌日、高雲寺御殿での馳走には、右大臣信長自身が、家康のまえに、饗膳を据えた一事を見てもわかることである。