Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 903 caractères · 400 écrans

Aozora Bunko

妙覚寺にいた信忠の手兵約六百と、市中から駈け集まった約三百余人をあわせて、総数一千の将士はかくてその死ぬ所をこの朝に持った。

明智方では、信忠の手勢が、妙覚寺を脱して、二条城へたてこもろうとは、少しも予期していなかった。

親王の御名において、そこはまったく戦場の外ときめていたものである。

「しまった」

という困惑のいろが、一時明智軍をつつんだ。主将の明智光忠も、

「入れたか。不覚な」

と、先手の妨害の手ぬるさを責めて、敵が城門を固めぬうちにと、すぐ城の三門へ兵をわけて、これを包囲にかかった。

西門、東門、南門の三つがあった。

濠は深く、幅も広い。本能寺のそれとはちがって満々と水をたたえている。どこかに自然と湧水があるとみえて、蒼々と漣たてて澄んでいた。

「いるのか、敵は」

すでにかたく鉄扉を閉じている城門と、濠の距離とを眼で測りながら光忠はつぶやいた。そう疑われるほど、四囲の空気はしいんとしていた。

すると城内の石倉の上の櫓から一本の矢が濠をこえて来た。並河掃部が拾い取ってすぐ光忠へ捧げに来た。矢文が結いつけてあったからである。

三位中将信忠の名をもって、寄手にしばしの休戦を申し入れて来たものだった。