Classiques japonais avec furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 903 caractères · 400 écrans
そして、彼方此方の小乱に打ち向い、一死一番、大義と大道へましぐらに赴くことをなさずにしまったのである。
これを見ても分るように、絶対に光秀を忌避して、光秀を逆賊となす者のある一面には、暗に、彼の聯絡にたいして黙契をもってこたえ、情勢の進展とにらみ合わせて、明智側に拠って立とうとする諸豪族も決して少なくはなかった。
とりわけ、大坂城にあった織田信澄は、光秀の女婿でもあるし、その父の織田信行は、かつて信長の成敗をうけている。一族とはいえ、父を信長に殺されているその子の信澄である。――彼こそはかならず味方に応ずるであろう。――光秀は当然、彼が大坂表から呼応するであろうことを期していた。
六月二日の本能寺変の当日。
折も折、その信澄は、信長の第三子神戸信孝や、丹羽長秀などと共に、阿波、中国への出軍の装い成って、今しも住吉の浦から兵船に乗ろうとしているところだった。
「京都に大変が勃発した」
そう聞えるや、全軍、なすことを知らず、早くも逃散する兵さえ続出した。丹羽長秀は、信孝と謀って、ひとまず大坂城へもどり、五日の夜、ふいに信澄を襲って、これを千貫櫓で刺し殺してしまった。