Classiques japonais avec furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 757 caractères · 375 écrans
守兵総員を寄せても、千人しかいない砦である。襲せて来た敵は、一万足らずの勢という。
間道にしても、麓の木戸にしても、手薄なことはいうまでもない。時移せば、忽ち、個々全滅は目に見えていた。
「淵之助っ、間道へ向え」
瀬兵衛は、股肱の中川淵之助に兵三百をさずけて先にやり、また直ちに、
「入江土佐、古田喜助、久保甚吾――。おぬしらは、五十名ほど待って、本丸小屋にたてこもれ。玄正坊も参れ」
早口に、命じ終ると、
「他の者は、瀬兵衛について来い。摂州茨木このかた、負れは知らぬ中川勢ぞ。面とむかった敵には、尺地も退くな」
と一語、麾下の士を励ますや、自身、旗、馬簾などの先に立って驀しぐらに、麓口へ駈け降りていた。
「殿っ、殿っ。しばらく」
うしろで榧野五助が、呼ばわった。振りかえると、
「お使いですっ。桑山殿からの御使者が、何やら申し上げたいとのことで――」
と、五助が、その使者を伴って、追いついて来た。
「何か――」
と、瀬兵衛の眼はすでに敵と戦っている。使者は、火急とあって、口上で伝えた。
「主人、修理大夫(桑山重晴のこと)の申しまするには、今暁、中入りの敵勢は、いかにせん大軍。