Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 757 caractères · 375 écrans

Aozora Bunko

「か、かくまで……お働きのうえは、も、もはや、お心のこりはない筈。……ぞ、ぞう兵どもの手に、かからぬまに」

誰か、またも一人の味方が、瀬兵衛の馬の口を曳ッぱって、驀しぐらに、砦の内へと走っていた。さすがの瀬兵衛も、息はあえぎ、眸は始終、火焔を見ているように、熱くばかりあって、物なべて、霞んで見える。

「だ、だれだ?」

「ふ、ふ、淵之助重定です」

「お。……重定か。間道のふせぎは。……か、間道は如何した」

「破れました。無念です」

「何を歎く。――桑山、高山輩こそ、そういうがよい。存分、闘いぬいた俺どもには、悔いはない」

「いえ、敵の計に乗ったのが、残念と申したのです。滅多に、本丸の囲いまでは、敵を入れることではないぞと、一人が十人にも当って、鎬を削っていましたが、裏山の下小屋に、俄に、火の手が揚ったのを見――すわや、敵は後ろを巻いたりと崩れ立ち、遂に、何処の防ぎも、敗れ去りました」

「では、あの火の手は、裏山の小者小屋か」

「敵の徳山則秀が、わずかの人数を廻して、火を放った煙に過ぎませぬ」

「――あ。待て」

瀬兵衛は突然、あぶみに突っ立って、

「淵之助、わしを、どこへ導くつもりだ」