Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 757 caractères · 375 écrans

Aozora Bunko

「又左の御前。又左の御前。……筑前じゃ。顔をお見せなされ」

秀吉はなお台所部屋の奥へ向ってこう呼びぬく。

ちょうど、膳部屋の物片づけに、召使い達と共に立ち働いていた利家の夫人は、ふと、それを耳にして、

(誰ぞ?)

と、あやしみながら、腰衣、襷がけのまま、何気なくそこへ出て来た。

そして、秀吉の姿を、突然そこに見たときの、彼女の驚きようといっては、どう形容すべくもない。

「あれっ……?」

としばし、眼をまるくしたまま、立ちつくし、

「まあ、これは、夢ではございませんでしょうか」

と、いった。

「御内儀、久しいなあ。――さてさて、いつもお達者で、めでたい」

秀吉が歩みよると、彼女も初めて、われに返り、襷をはずして、板床の下へ退った。そして、まずまずと、身を低めて請じたが、秀吉は無造作に、大土間の框に腰をすえこみ、

「御内儀の顔を見て、何よりも先に聞かせたいのは、播磨にある娘(利家の女を秀吉の養女とせる者)も、姫路の女どもと打ち交じり、至極、息災に成人したる由じゃ。御安堵あるがよいぞ。――また、この度は、亭主又左衛門殿も、辛い御出陣と相見えたが、進退立ち惑いなく、繰り退きの切ッ先も烈しく、前田一陣のみにおいては、戦にも、負けなしと申してよかろう。