Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 180 256 caractères · 361 écrans

Aozora Bunko

今そこの土を離れて。

この駿河の一被官、松下屋敷から眺めていると、三河の松平を除いては、国の貧乏も、領土の狭さもどこの国より惨めに見えた。わけて今川領内の華美な文化と、豊かな経済の中から見ると、よけいにはっきりとそれがわかる。

(中村も貧しいわけだ。おらの家も貧乏なわけだ……だが?)

と、日吉はそれが、絶対な国運とは考えられなかった。貧しい尾張の土に、何か未来の芽ばえを感じ、貴紳の礼風を真似て、上下とも華奢な今川領の風俗に、むしろ軽い反感と、危うさをいつも思わせられた。

また、近頃、頻りと使者の往来がはげしいのは、今川家を中心に、駿、甲、相三ヵ国間に、不可侵協定の下談が、結ばれようとしている気配だった。

主唱者は、勿論、今川義元で、将来、覇業の大軍を率いて、上洛するためには、駿河の背後にある北条と、側面の強国たる武田の二家とは、善隣の誼みを厚うしておく必要がぜひともある。

で、義元は、甲斐の信玄の嫡男太郎義信に、自身の息女を嫁がせ、信玄の息女を、北条家に嫁がせることを、かねてから策していたのであった。

その婚姻は、ようやく成功を見、同時に軍事、経済の協定も成ろうとして、今川家の勢力は、東海の重鎮として、動かし難いものとなったかの観がある。