Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 180 256 caractères · 361 écrans

Aozora Bunko

「まあ! 日吉ッ……」

彼の母はその後、また、子を生んでいた。干し拡げている小豆の中で、子を抱いて、弱々しい皮膚を陽なたに曝していたが、

「おお?」

振り顧って、変ったわが子の姿を、突然そこに見ると、悲しいのか欣しいのか、彼女の顔に、一瞬、つよい感情がつきぬけて、眼は涙にくもり、顔じゅうの筋はぴくぴくふるえた。

「わしじゃ! おっ母さんッ。……みんな達者でか」

飛びつくように、母の莚へ――その乳の香のする懐のそばへ、日吉が坐りこむと、母は片手の乳のみ児と同じように、日吉をも抱きよせて、

「どうしやった。どうしやったぞ? ……」

「どうもしません。きょうは、一日お暇が出たので、お城へ御奉公に上がってから、初めて外へ出たのです」

「あ……そうか。……それで安心しました。突然来やったので、何ぞまた、不首尾でもでかして、お城を追われて来たのではないかと、わしは、胸がどきッとして……これこのように冷汗をかいてしもうたがの」

ほっと、安心したのであろう。彼女は初めて、笑顔を見せた。

そして沁々、わが児の成長をながめ、また、垢のついていない小袖や、髪の結いぶりや、刀、脇差などを見て、ほろほろと涙をながした。