Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 180 256 caractères · 361 écrans
それしかない。……」
主君が臣下へ、手をつきかけたので、五郎左はあわてて、その手を取って拝み、君臣抱き合って泣いていた。
その年、城下に一宇の寺を建立した。爺の菩提のために、という信長の発願からであった。
「寺号を、何と名づけましょうか。開山の和尚に、撰号の儀、お命じなされては如何なもので」
奉行が訊ねると、信長はかぶりを振って、
「寺僧の名づくるよりも、爺は、わしがつける寺号をよろこんでくれよう。わしが撰ぶ」
筆を取って、政秀寺とすぐ書いた。
平手中務政秀の名のりを、そのまま取ったのである。
その後。
何か思い出すと、信長はよく唐突に、政秀寺へ行った。行っても、回向したり、読経の僧と共に坐っていることなど、滅多にない。
「爺よ。爺よ」
つぶやきながら、寺のあたりを一歩きして、ぷいと帰城してしまうだけだった。
そうした感情が、時には、狂人じみて現われることすらあった。
鷹狩の折、突然、小鳥の肉を引っ裂いて、
「爺ッ、爺ッ。信長の捕った獲物ぞ。これを受けよ!」
と、虚空へ向って、投げつけたりした。
また、川狩の日に、いきなり足で川水を蹴上げて、
「爺ッ。成仏せよッ」