Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 180 256 caractères · 361 écrans
「どういたした、権六。顫いているではないか」
「かえって、御意に逆らいましたかと、恐縮の余りに」
「はははは。許す、許す。もう顔を上げい。――いや待て待て、儂の革足袋の紐が解けておる。権六、ついでに結んでくりゃれ」
「……はッ」
「佐渡」
「は」
「邪魔をいたしたのう」
「滅相もないおことば」
「したが、信長のみならず、四隣の敵国の客は、いつでも不意に来るものぞ。心して、留守をせよ」
「朝暮、心いたして、弓矢を磨いておりまする」
「そうか。頼もしい家来どもを持って、信長は安心。――いや信長のためばかりではない、まちがえばその方どもの首もないのじゃ。権六、よいか」
「お結びいたしました」
「大儀」
信長は、まだひれ伏している、三名の後ろを開けて、中廊下から玄関の方へ、大廻りして出て行った。
「…………」
柴田権六と、林佐渡、美作の三人は、真っ蒼な顔を見合って、一瞬、茫然としていたが、われに回ると、あわただしく、信長の後を追いかけて、再び、玄関の式台に平伏した。
――が、信長の姿はもうそこには見えない。
大手門の方へ降ってゆく幅の広い坂道の辺りに、ただ戛々と、蹄の音だけが聞えていた。