Classiques japonais avec furigana
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ほしのくんのにるいだ
新版・星野くんの二塁打
吉田 甲子太郎
Lisez 新版・星野くんの二塁打 (ほしのくんのにるいだ) de 吉田 甲子太郎 (よしだきねたろう) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 10 945 caractères · 22 écrans
だが、そのとき、伝令がきて、かれはベンチへよばれた。
一塁では、ランナーの岩田が足をそろえて、ぴょん、ぴょんと、はねている。足ならしをして、走塁の準備をしているのだ。
星野は、それをちらっと見て、ベンチへ行った。キャプテンの喜多と、監督をしている大学生の別府さんが、かれを待っていた。
「星野、岩田をバントで二塁へ送ってくれ。氏原に打たせて、どうしても確実に一点かせがなければならないから。」
別府さんは、正面から星野の目を見て、はっきりといった。
別府さんがそういうのもむりはなかった。きょうの星野は、投手としてはかなりできがよかったけれども、打者としては、ふるわなかった。投手ゴロひとつ、三振ひとつ、という不景気な成績だ。だが、星野は元来、よわい打者ではなかった。当たれば、そうとうな大ものをかっ飛ばすほうだった。だから、かれは、この三回めの打撃で、名誉を回復しようと、ひそかにはりきっていたのだ。こんどは、きっと当たる。なんとなく、そういう予感を持っていた。それだけに、かれは、別府さんのことばにたいして、「はい。」と、すなおな返事がしにくかった。
「打たしてください。