Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lisez 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) de 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 158 045 caractères · 322 écrans
あたしの古郷のおとめといえば、江戸の面影と、香を、いくらか残した時代の、どこか歯ぎれのよさをとどめた、雨上りの、杜若のような下町少女で、初夏になると、なんとなく思出がなつかしい。
土一升、金一升の日本橋あたりで生れたものは、さぞ自然に恵まれまいと思われもしようが、全くあたしたちは生花の一片も愛した。現今のように、ふんだんに花の店がない時分だから、一枝の花の愛しみかたも格別だった。紅梅が咲けば折って前髪に挿し、お正月の松飾りの、小さい松ぼっくりさえ、松の葉にさして根がけにした。山吹の真白なじくも押出して、いちょうがえしへかけた。五月の節句には菖蒲の葉を前髪に結んだり、矢羽根に切ったのを簪にさしたものだった。
新藁は、いきな女の投島田ばかりに売れるのではなく、素人でも洗い髪を束ねたりしてよく売れた。燕の飛ぶ小雨の日に、「新藁、しんわら」と、はだしの男が臑に細かい泥を跳ねあげて、菅笠か、手ぬぐいかぶりで、駈足で、青い早苗を一束にぎって、売り声を残していった。
水玉という草に水をうって、涼しくかけたものだが、みんな一時のもので、赤くひからびるまではかけていない。