Classiques japonais avec furigana
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めいじげきだん ランプのもとにて
明治劇談 ランプの下にて
岡本 綺堂
Lisez 明治劇談 ランプの下にて (めいじげきだん ランプのもとにて) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 283 caractères · 329 écrans
女形には石田信夫という達者な人がいた。
そのなかにただ一人、市川九女八の弟子で、以前は三崎座に出ていたかつらという小綺麗な若い女優があった。かつらは師匠がこの春から川上の一座に加入して市村座に出勤する事になったので、自分も一緒に出勤を希望したが、川上はそれを拒絶した。師匠は相当の年配でもあり、かつは世に定評ある人であるから、よろこんで自分の一座に迎えるが、若い男ばかりの楽屋に若い女優をひき入れるというのは、楽屋の風紀の上にも面白くないことであり、世間からいろいろの噂を立てられるのも面倒であるから、九女八以外のわかい女は一切加入させない方針であると、川上は言った。かつらはそれでも思い切れないで、ふだんから世話になっている小間物屋の細君に訴えると、その細君は自分の丸髷を根元から切って川上のまえに投げ出して、どうでもかつらを入座させてくれと泣いて迫ったので、川上もとうとう我を折って、それを出勤させることになったのであると伝えられた。それほど熱心なかつらも長くこの一座にとどまらなかった。師匠の九女八がまず去り、彼女もこの興行を名残りに退座した。眼さきの早い川上は、男女合併興行を標榜して立とうと思い付いたらしいのであるが、なにか不便な事情があったとみえて、九女八らが去った後、かの貞奴を妻に迎えるまでは、やはり女形