Classiques japonais avec furigana
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ほしあかり
星あかり
泉 鏡花
Lisez 星あかり (ほしあかり) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 178 caractères · 9 écrans
彼処を通抜けねばならないと思うと、今度は寒気がした。我ながら、自分を怪むほどであるから、恐ろしく犬を憚ったものである。進まれもせず、引返せば再び石臼だの、松の葉だの、屋根にも廂にも睨まれる、あの、この上もない厭な思をしなければならぬの歟と、それもならず。静と立ってると、天窓がふらふら、おしつけられるような、しめつけられるような、犇々と重いものでおされるような、切ない、堪らない気がして、もはや! 横に倒れようかと思った。
処へ、荷車が一台、前方から押寄せるが如くに動いて、来たのは頬被をした百姓である。
これに夢が覚めたようになって、少し元気がつく。
曳いて来たは空車で、青菜も、藁も乗って居はしなかったが、何故か、雪の下の朝市に行くのであろうと見て取ったので、なるほど、星の消えたのも、空が淀んで居るのも、夜明に間のない所為であろう。墓原へ出たのは十二時過、それから、ああして、ああして、と此処まで来た間のことを心に繰返して、大分の時間が経ったから。
と思う内に、車は自分の前、ものの二三間隔たる処から、左の山道の方へ曲った。雪の下へ行くには、来て、自分と摺れ違って後方へ通り抜けねばならないのに、と怪みながら見ると、ぼやけた色で、夜の色よりも少し白く見えた、車も、人も、山道の半あたりでツイ目のさきにあるような、大きな