Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 612 caractères · 405 écrans
かれは半七にその尻っぽを捉まえられて、とうとう恐れ入って白状した。
半七の想像通り、かれは自分の店へ手伝いにくるお浜のあどけない姿に眼をつけて、ときどきに小遣いなどをやって手なずけようとしていたが、お浜には紋作というものが付いているので、かれは兎欠脣の男などに眼もくれなかった。定吉はそれを忌々しく思っているうちに、その日は楽屋で紋作と衝突した。ふだんから彼に対する憎悪が一度に発して、定吉はまさかに彼を殺すほどの料簡もなかったが、せめてその顔に疵でも付けてやろうと思って、料理屋の門口に忍んで、その帰るのを待っていると、十露盤絞りの手拭をかぶった若い男がおなじくその門口にうろうろしていた。こっちでじろじろ視れば、向うでもじろじろ視る。なんだか工合が悪いので、定吉は一旦そこを立ち去って、山下の屋台店で燗酒をのんで、いい加減の刻限を見はからって又引っ返してくると、たった今そこで人殺しがあったという騒ぎであった。脛に疵もつ彼はなんだか急に怖くなって、とんだ連坐を食ってはならないと怱々に逃げて帰った。
「親分。まったくその通りで、嘘も詐りもございません。お察しください」