Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 865 caractères · 432 écrans
と、半七はわざと首をかしげて見せた。「そんな筈じゃあないんだが……」
「お杉さんの忌がるのを、親たちが無理に下げたのだということでございますよ」
「そうだろう。御新造は病気だし、旦那が暇をくれる筈はないんだから」
女房はすこし驚いたように半七の顔を見たが、やがて又笑い出した。
「ほほ、なにもかも御存じなのでございますねえ」
「知っているよ。今もいう通り、すぐ近所に住んでいるんだから」と、半七も笑った。「その一件があるので、あの娘はまだ婿を取らないんだろう。え、そうだろう」
女房は意味ありげに笑っていた。
四
半七にかまをかけられて、荒物屋の女房はとうとうおしゃべりをしてしまった。その話によると、お杉は十七の春から吉見の屋敷へ奉公に出ているうちに、病身の妻を持っている主人と一種の関係が結ばれた。そんなことは知らないお杉の両親は、もう年頃になった娘をいつまで奉公させて置くでもない、家へ帰って相当の婿を取らせなければならないというので、忌がる娘を無理に連れて帰ったが、そういう秘密があるので、お杉は容易に婿を取ろうと云わないばかりか、店の手伝いも碌々にしないので、この頃は親子喧嘩が絶えないとのことであった。