Classiques japonais avec furigana
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きょくばだんの「トッテンカン」
曲馬団の「トッテンカン」
下村 千秋
Lisez 曲馬団の「トッテンカン」 (きょくばだんの「トッテンカン」) de 下村 千秋 (しもむらちあき) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 16 620 caractères · 34 écrans
十一
」
「だからね、僕がきえちゃんの服を着て、わか姉さんにお化粧をしてもらって、きえちゃんそっくりの少女になるのだよ。団長だって見わけのつかないような少女になるのだよ。そんなら大丈夫だろう。」と新吉は自信のあることばで言いました。
十一
トッテンカンの新吉は、いよいよ、病気のきえちゃんに代わって、竹のぼりの芸当をすることになりました。
その芸当というのは、まず、わか姉さんが象のファットマンの背の上に立ちます。それから三メートルほどの太い竹棒を、手を使わずに肩の上に立てています。すると、きえちゃんは、その竹棒のてっぺんへよじ上って行って、そこで手ばなしでうつ伏せになったり、あおのけになったり、しゃっちょこ立ちをしたり、足首でつかまってぶら下がったりするのです。それを専門にしているきえちゃんには、それほどむずかしい芸当ではありませんが、今日はじめてそれをやる新吉にはむずかしいどころか、その中の一つの芸だって満足に出来るはずはないのです。そして、もしやりそこなって、おっこちでもしたら、それこそたいへんです。何しろ、竹棒のてっぺんから象の足下までは七メートルもあるのですから、たとえ死なないまでも、大怪我をするにきまっています。