Classiques japonais avec furigana
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きょくばだんの「トッテンカン」
曲馬団の「トッテンカン」
下村 千秋
Lisez 曲馬団の「トッテンカン」 (きょくばだんの「トッテンカン」) de 下村 千秋 (しもむらちあき) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 16 620 caractères · 34 écrans
一
一
いちばん先に、赤いトルコ帽をかむった一寸法師がよちよち歩いて来ます。その後から、目のところだけ切り抜いた大きな袋をかむった大象が、太い脚をゆったりゆったり運んで来ます。象の背中には、桃色の洋服をきたかわいい少女が三人、人形のようにちょこんと並んでのっかっています。その後からは楽隊の人々が、みんな赤いズボンをはき、大きなラッパ、小さなラッパ、クラリオネット、大太鼓、小太鼓などを持って、足並そろえて調子よく行進曲を吹き鳴らして来ます。
さてその後からは、鉄のおりに入ったライオン、虎、熊などの猛獣が車に乗せられて来ます。つづいて馬が十頭ほど、みんなかわいい少女や少年を一人ずつ乗せて、ひづめの音をぽかぽかと鳴らしながら来ます。最後に赤や黄や青の旗をかついだ人たちが大ぜい、ぞろぞろとつづいて来ます。その旗にはそれぞれ「東洋一大曲馬団」「東洋一移動大動物園」「世界的大魔術」「世界的猛獣使」などという字が白く、染めぬかれてあります。
まっ先の一寸法師から、最後の旗持ちまでは百五十メートルほどもあり、その長い行列は、楽隊の吹き鳴らす行進曲で、何ともいえない気持ちよい調子につつまれ、何ともいえないにぎやかな色どりをあたりにふりまきながら、八月の朝のきらきらした太陽の光の中を進んで来ました。