Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かかれざるさくひん

書かれざる作品

豊島 与志雄

Lisez 書かれざる作品 (かかれざるさくひん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 021 caractères · 4 écrans

Aozora Bunko

或は港の中にじっと立止り、或は静かな海をそぞろ歩きし、或は暴風雨の中を突進する……。その後ろ姿を見守っていると、彼女の姿は益々小さくなり、海戦においても、指頭大の玩具の舟にすぎず、砲弾は砂粒にすぎない。そして遂には、私は彼女の姿を見失いがちで、茫漠たる海洋だけがはてしもなく広がってるのだった。私はまたあらためて彼女の姿を探し求め、彼女の跡を追うのであるが、ともすると再びその姿を見失いがちで、海洋の永遠な広茫だけが全面に立現われてくる……。そういうわけで、三笠は常に縮小し縮小して、一の微粒子とまでなって私の眼をのがれ、私はそれを捉える術もなく、遂に「軍艦三笠」は書けなくなってしまったのである。

この「軍艦三笠」と全く逆なことを、私は「錆びた銃弾」で経験した。私が中学時代を過した郷里の、海岸の松林のなかに、昔、射的場があって、聯隊の兵士たちが時折実弾射撃をやった。その射的場の附近の砂の中に、流れ弾が埋ってることがあって、それを掘りだすのが少年の楽しみだった。そうした弾丸の一つを主題にして、「錆びた銃弾」という小説を私は考えてみたのである。射的場の砂中から拾い出された一個の銃弾が主人公なのである。