Classiques japonais avec furigana
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きそがわ
木曾川
北原 白秋
Lisez 木曾川 (きそがわ) de 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 659 caractères · 52 écrans
土田は名鉄の犬山口から分岐する今渡線の終点に近い。ちらとその駅をのぞいて、また右へ、ライン遊園地へ向けて、またまた驀進驀進驀進である。行けるところまで行って、危く何かにぶつかりそうにしてとまると、奇橋がある。「土田の刎橋」である。この小峡谷は常に霧が湧き易くて、こめると上も下も深く姿を隠すという。重畳した岩のぬめりを水は湍ち、碧く澄んで流れて、いうところの鷺の瀬となる。
橋の袂で敷島を買って、遊園地の方へほつりほつりと私たちは歩いてゆく。雨はあがりかけて日の光は微かに道端の早稲の穂にさしかけて来る。七夕の紅や黄や紫の色紙がしっとりとぬれにじんでその穂や桑の葉にこびりついている。死んだ蛍のにおいか何かが咽んで来る。あけっぱなしの小舎がある。蚕糞や繭のにおいがする。莚が雑然と積んである。表に「自転車無料であずかります」と貼札してある。この道七、八丁。
宏壮な北陽館の前に出る。二階の渡り廊下の下の道路を裏へ抜けると、ここに驚くべき大洞可児合の壮観が眼下に大渦巻をまきあげる。断崖百尺の上の、何と小さな人間、白の黒の紫紺のぽつり、ぽつり、ぽつりだ。
大洞可児合は蘇川中の一大難所である。