Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

すえっこ

末っ子

山本 周五郎

Lisez 末っ子 (すえっこ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 564 caractères · 55 écrans

Aozora Bunko

「残念どころではない、それは殺生というものだ」と平五は呟いた、「これを売ればすぐにも御家人の株が買える、うちを出て独立することができるんだ。しかも、おれがみつけなければ、こいつ、清鑑堂の店の隅で、いつまでも埃をかぶっていたことだろう、つまり、要するに」

平五は屹となり、額をあげて強く頭を振った。よくない考えが頭にうかんだのである。彼は心の中で、それは侍らしからぬ考えだ、単に人間としても恥ずべきことだぞ、と自分を叱った。けれども、いちど頭にうかんだ思案はなかなか承知しない。黙っていればわかりゃしない、自分の鑑識で発見したものではないか、おまけに、それで長年の望みがかなうのだ、細江に知らせたところで、却って事を面倒にするばかりだぞ、黙っていろ黙っていろ、という囁きがしつっこくつきまとった。

「えい」と彼は立停って気合をかけた、「えい、この野郎しっかりしろ」

向うから来た通行人がぱっと脇へとびのいた。平五の叫びを聞いて吃驚したのだろう、こちらも驚いて、いそぎ足に歩きだした。

平五は三日間思い迷った。家を出ることは出るが、どうしても越中堀へ足が向かないのである。