Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やなぎばしものがたり

柳橋物語

山本 周五郎

Lisez 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 300 caractères · 202 écrans

Aozora Bunko

「表を通りかかったもんだからね、どうしてるかと思ってさ、おお寒い」おもんは身ぶるいをしながらあがって来た、「――なんて冷えるんだろう、ちょっとあたらせてね」

「こっちへ来るといいわ、炭が買えないんで焚きおとしなの、暖たまりあしないから、――さあお当てなさいよ」

「坊やはおねんねだわね、こんど幾つ」

「四つになるのよ」

おもんは火桶の上へ半身をのしかけ、両手を低く火にかざしながら寝ている子供のほうを見やった。あのときからみると頬の肉がおち、眼の下に黝ずんだ暈ができている、脂気のぬけたかさかさした皮膚、白っぽく乾いている生気のない唇、骨立って尖ってみえる肩など、思わずそむきたくなるほど悄衰した姿であった。

「ほんの一つだけれど、お餅があるから焼きましょうか」

「ああたくさんたくさん」おもんは不必要なほど強く頭を振った、「――昨日からどこへいっても餅攻めで、それああたしお餅には眼がないほうだけど、でもこう餅ばかりじゃあいくらなんでも胸がやけるわ、あたしは本当にいいんだから心配しないでよ」

「うらやましいようなことを云うわね、でも一つくらいはつきあうもんよ」

おもんが嘘を云っていることは余りに明らかであった。