Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さくらじま

桜島・日の果て・幻化

梅崎 春生

Lisez 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 169 810 caractères · 345 écrans

Aozora Bunko

途中で発作がおきると困るのだ。それからバスの発着場に歩き、休憩中の女車掌に声をかけた。

「坊に行くには、たしかあの道を、まっすぐ行けばいいんだね」

「はい。一筋道です」

車掌は壁時計を見上げた。

「あと二十五分でバスが出ます」

五郎も見上げてうなずいた。そしてそこらを五、六歩動き廻って外に出た。何気ないふりで、バス道を歩く。すこしずつ急ぎ足になった。

〈誰かがおれを追っている〉

そんな感じが背中にある。その〈誰〉には実体がなかった。入院の前に、外出すると、いつもその感じにとらわれ、振向き振向きしながら歩いた。その時にくらべると、感じとしては淡いけれども、つけられている気配はたしかにある。

家並の切れる頃から、人通りはだんだん少くなって来た。おおかたはバスを利用するのであろう。道に沿って、ぽつんぽつんと農家がある。納屋の土床で子供が遊んでいたり、跣の農婦とすれ違ったりする。ふと振り返ると、農婦が足をとめて、じっとこちらを見詰めている。道はだんだん上り坂になる。

〈おれを見張っているのではない〉

五郎は自分に言い聞かせる。不精髭を生やした背広姿の男が、バスにも乗らず、酒瓶を提げて歩いている。