Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さくらじま

桜島・日の果て・幻化

梅崎 春生

Lisez 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 169 810 caractères · 345 écrans

Aozora Bunko

頭を強く二三度振り、今までの考えから抜け出ようと努力しながら、歌でも歌おうとよろめく足をふみしめ、卓に手をかけ立ち上ろうとした。吉良兵曹長の声が、吹き抜けるように洞内にひびいた。

「兵隊。軍刀を持って来い!」

黒白もわかたぬほど酔っているらしかった。目が据り、顔がぞっとする程蒼かった。立ち上ろうとして、平均を失い、卓に肱をついた。麦酒瓶が大袈裟な音を立てて倒れ、白い泡が土間にしたたり落ちた。卓に片手をついて、下座の方を見据えた。

「剣舞をやるから、持って来い。軍刀」

ふらふらと進み出た。

雑然たる騒音の中から、獣のような声を出して、詩を吟じ始めた。誰の声か判らない。文句も節もはっきりしないままに、吉良兵曹長は軍刀を抜き放った。拍手が三つ四つ起って、すぐ止んだ。笑い声がする。詩を吟ずる声が二つ重なったと思うと、起承も怪しいまま、転々と続いて行くらしい。軍刀をかざしたまま、吉良兵曹長の上体はぐらぐらと前後に揺れた。眼をかっと見ひらいた。軍刀を壁に沿って振り下すと、体を開いてこぶしを目の所まで上げた。よろよろとして倒れかかり、私の肩にがっとしがみついた。軍刀は手から離れて、土の上に音無く落ちた。