Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Lisez 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 169 810 caractères · 345 écrans
「これも隊長からか?」
「いえ、これは私からです」
佐伯が戻って行くのと入れちがいに高城がやって来た。拳銃一挺さげただけの軽装である。高城の拳銃を何か不思議なものでも見る目付で眺めながら、彼は自分も略刀帯に軍刀を吊り拳銃を下げ、その上から水筒をつるした。そして長靴を軍靴に履き換えた。網扉を押すとき、彼は部屋の様子を記憶に刻み込むようにも一度しげしげと振り返った。脱ぎ捨てられた長靴は、ひとつは立ちひとつは床にたおれていた。目をしばたたきながら彼はぎしぎしと階段を降りた。出発、と彼は低く言い、そして歩き出した。高城の跫音がそれにつづいた。
密林の各所に日本軍が入ってから、連絡の必要もあって大体道らしいものは出来ていたが、それも定かなものではない。植物の旺盛な繁殖がすぐ道をかくしてしまう。群れ立つ樹々の梢が日光の直射をさえぎっていたが、それでもむんむんする草いきれで、暫く歩くと汗が背筋に滲み出して来た。道は東北の方角である。歩くにつれて湿度が高く、羽虫のようなのが道のあちこちを飛んでいて、それが顔にぶっつかったりしてうるさくてかなわない。歩きながら彼は花田中尉の状況を聴いた。