Classiques japonais avec furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 073 caractères · 223 écrans
新八は欠伸をした。おみやには、それが作り欠伸であることがよくわかった。おみやは「自分の番」の来たことを悟り、彼の両手を握った。
「もうそのくらいいじめればたくさんよ、もう堪忍してくれるわね、新さん」
「どうするんだ」と新八が振向いた。
「わかってるくせに」
おみやは襖のほうへ眼をはしらせ、そして握っている彼の手をひきよせた。
「おれは別れるって云った筈だぜ」
「いつだって別れるじゃないの」とおみやは彼の手に頬ずりをした、「逢えるのはほんの僅かな時間よ、そして、短いはかない時間が経つと、いつでも別れなければならないじゃないの、辛いのは新さんばかりじゃあないことよ」
「子供を騙すようなことはよしてくれ」
「あなたはもう子供でもないし、あたしなんかが逆立ちをしたって騙せやあしないわ、新さんはもういちにんまえの男よ、あたしの負けだわ」
「それがわかればいいさ」と新八は立ちあがった、「じゃあ私は帰るよ」
おみやは立って彼に抱きついた。両手を彼の首に絡みつけ、彼の唇や、頬や、頸筋を吸い、その腿で彼の腿を緊めつけた。
「お願いよ、もう堪忍して」
「いつもの手だ」
おみやは「新さん」