Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 073 caractères · 223 écrans
「あらそうかしら」
「まえにもいちど話しがあって、月に幾らとか、相当な扶持を遣ろうと云われたのを、柿崎さんと別れるわけにはいかない、といってきっぱり断わったのだそうです」
「それで、こんどはこっちから泣きついたってわけね」
「いいえ、藤沢内蔵助さんが偶然その人に会って、また話しをもちかけられたのだそうで、しかもそれは、柿崎さんの世話をしているのと同じ人だということです」
「兄の世話をしているんですって」
新八は「そうです」と眼を伏せながら云った、「それは一ノ関さまの御用人だということでした」
おみやは眼をみはった、「一ノ関といえば、伊達兵部さまのことじゃないの」
「そうです」
「だって兄が兵部さまの世話になるわけはないでしょ、兄はあたしの主人やあなたたちの親の仇として、いつか兵部さまを討たせてやると云った筈よ」
「そう云われました」
「それで一ノ関の世話になってるなんておかしいじゃないの」
「でもそれが事実らしいんです」と云って新八は言葉を切った。
おみやは燗鍋の酒を銚子に移して、新八に盃を持たせようとした。新八は拒んだが、おみやに「一つだけ」と云われると、拒みきれずに盃を取った。