Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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たなださいばんちょうのかいし

橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇

橘 外男

Lisez 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 181 caractères · 219 écrans

Aozora Bunko

と、その伊手市どんという男が話し出しました。

「藤どんのいうこたア、確かにふんとうの話でやすで……」

藤どんというのが、亭主の名前でしょう。

「水番の六蔵どんや、馬丁の福次郎どんに頼まれて、わしが現にこの手でお嬢様たちのお墓を刻んだでやして……」

重い口でポツリポツリと話し出しました。もう姉妹の死を疑うところはありません。いいえ、疑わぬどころか! 凄惨とも、陰惨とも、申訳ないとも、気の毒とも……聞いているうちに私は、何ともかともいおうようのない気がしてきたのです。

この男たちが、自分自身見たのではありませんから、痒いところへ手の届くようなというわけにはゆきませんが、ともかく村の噂によると、石橋様のお邸は、何でも去年の九月頃とかに火を出して、全部燃えてしまったでやす……というのです。そして焼けた後しばらくは、近くに馬小屋とかがあって、馬丁のいたその一間に、石橋様というお大尽も、お嬢様たちも住んでいられたようであったというのです。が、やがてその石橋様というお大尽は、ある日、湖の近所で拳銃で頭を打ち抜いて自殺してしまわれたというのです。

噂では、何でも欧羅巴の何とかいうムズカシイ名前の国に長いこといられて、その国一番とかいうもの凄いお金持でいられたが、戦争でその財産が滅茶滅茶になってしまったのと、もう一つは、広大