Classiques japonais avec furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lisez 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 181 caractères · 219 écrans
十二
十二
「そ、そこんところは藤どん、わっしから旦那に申上げよう。わっしは、現にこの眼でお嬢様たちの死体の上がったところを、見てるだから……」
と、亭主の言葉を引き取って、石屋の伊手市が膝を進めました。
姉妹間に殺傷が行われて、姉の姿が見えなくて妹も入水したらしいという風評を耳にした刑事や巡査の一隊が東水の尾へ登って来たのは、五月の六日頃……明日は水の尾村の鎮守のお祭りだというその前の日でした。
日傭で雇われて手伝いにいったものは、大野木村から平戸の農民たち四、五人、山から降りていた馬丁の福次郎と、水番の六蔵、この村からはその時用があって小浜にいっていた、この石屋と、もう一人庄どんという農夫の、二人だったというのです。
「その庄吉は、一昨日からこの先の鰍沢さいって、まだ戻んねえでやすが……」
湖は周囲一里半、山の影を映し、森を映して静まり返っていましたが、二、三日前に降った雨が、湖岸の森や林を洗って、殊にくっきりと鮮やかさを増しているように思われました。
水番小舎の付近に繋留された小舟四隻に分乗して、湖心に漕ぎ出しましたが、湖底へ碇綱を下ろす必要も何もありません。