Classiques japonais avec furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lisez 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 181 caractères · 219 écrans
十三
ただ違うのは、棍棒や鳶口の一隊は、幽霊ということにすべての好奇心が動いていたのでしょうが、私のは何かの行き違いということもあって、墓の主になっているのはジーナやスパセニアではなくて、あの二人はひょっとしたらやっぱり今日、私を迎えに出てくれるのではなかろうか? というところに、万一の好奇心が動いていたといった方が、いいのかも知れません。
十三
ともかく昨夜の怯え切っていた姿はどこへやら! 今朝は大勢仲間がいるからかも知れませんが、いずれも意気颯爽として、燃えるような好奇の眼を光らせています。雄風凜々として、鬨の声を上げんばかりの張り切りようです。夏の早暁の、爽やかな朝風を衝いて、昨夜二人と別れたあの石橋のところまで来ました。
「旦那様、ここまで送って来たとか仰しゃいましたな?」
と、亭主が寄って来ました。
もちろん、森も、山も、野も丘も、まだみんな深い朝靄の中に眠って、姉妹の姿なぞの、その辺に見えようはずもありません。一同の緊張がいよいよ増して、昨日二人の分け入っていったあの萱や、薄、茅なぞの胸まで掩うた細い山道にかかります。小暗い繁みも抜けて、つづら折りの第一の山道にさしかかります。