Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 443 caractères · 398 écrans
「何でもないよ。」
と、かれはおこったようにいって、すぐ二人を、食卓の準備されている広間に案内した。
食卓は、日ざしのいい窓ぎわに据えられており、朝倉先生夫妻のほかに、大河無門がもう卓について、三人がはいって来るのを待っていた。
「大河さんがおひとりで居残っていらしって、お風呂に水をいれていただいていたものですから、ごいっしょにお食事をしていただくことにしましたの。」
夫人は、次郎にそう言ってから、恭一と道江を大河にひきあわした。そのあとで、朝倉先生は微笑しながら、恭一に言った。
「大河君は、普通の塾生とはちがって京大を出た人だよ。専門は哲学だ。しかし概念の哲学者じゃない。孔子とかソクラテスとかいった型の、いわゆる哲人だね。今日は居残っていてもらってちょうどよかった。大いに教えてもらうんだな。」
ごちそうはさつま汁だった。あたたかい日ざしの中でそれをすすっていると、汗をかきそうだった。食後の蜜柑が、舌にひやりとして甘かった。
朝倉夫人が食卓のあとかたづけをはじめると、道江がそれを手伝った。そのあとは、またいっしょになって話がはすんだ。話題は、ひる前の空林庵での懐旧談とはちがって、人生論めいたことを中心に、民族とか、国家とか、階級とかいうことにまで及んだ。