Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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えどがわらんぽしにたいするわたしのかんそう

江戸川乱歩氏に対する私の感想

夢野 久作

Lisez 江戸川乱歩氏に対する私の感想 (えどがわらんぽしにたいするわたしのかんそう) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 478 caractères · 13 écrans

Aozora Bunko

とか「探偵」とかいう名目すらも、ツイこの五六年前までは、赤の他人の名前と同様に、通りすがりに記憶しているくらいの事でした。

その後に私は、友達の処に在る雑誌の中で、偶然に乱歩氏の「心理試験」を読んだのですが、興味に釣られて一気に読まされたにも拘わらず、その内容に対しては、一種の失望を禁じ得ませんでした。

「日本人は直ぐに西洋人の真似をするのだナ」

と思いながら「エドガー、アラン、ポー」「エドガワ、ランポ」と心の中で繰り返して、何とも云えない物足りなさを感じた事を、今でもハッキリと記憶しています。

それから矢張り同氏の作にかかる「D坂の殺人」「二銭銅貨」なぞを、作者の力に引き付けられて次から次に読みは読みながら、構想や行文の苦心が一つ残らず西洋人の模倣に見えて仕様がありませんでしたので、巻を蔽うと同時に、二度と読む気がしなくなったものでした。そうして、

「江戸川乱歩は要するにエドガア、アラン、ポーに対するエドガワ、ランポに過ないのかナ」

なぞと思い思いした事でした。

ところが、私のこうした乱歩氏に対する失望感は、同氏の「白昼夢」を読むと同時に、あとかたもなく引っくり返ってしまったのでした。