Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こはんていじけん

湖畔亭事件

江戸川 乱歩

Lisez 湖畔亭事件 (こはんていじけん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 335 caractères · 137 écrans

Aozora Bunko

二十六

遠くの方から、村の青年が吹き鳴しているのでしょう、下手な追分節の尺八が、それでも何とやら物悲しく、風の音にまじって聞えて来ます。

私はその往還に佇んで、暫く森の方を眺めていましたが、そうして離れて見れば、怪物の様な巨木達が、風のために波打っている有様は、一層物凄く、ますます私に里心を起させるばかりで、さっきの異様の人物は、いつまで待っても出て来る様子がありません。

十分もそうしていたでしょうか、もういよいよ駄目だとあきらめて、あきらめながら、でも何となく残り惜く、この間にもう一度河野の部屋を尋ねて、もし彼がいたら一緒に森の中を探して見ようと、大急ぎで、息せき切って宿の玄関へ駈込み、下駄を脱ぐのももどかしく、廊下を辷り彼の部屋に達するといきなりガラリと襖を開きました。

二十六

「ヤア、お入りなさい」

仕合せと河野は帰っていて、私の顔を見ると、いつもの様に笑顔で迎えました。

「君、今森の中にね、又変な奴がいるのですよ。一寸出て見ませんか」

私はあわただしく、しかし囁き声でいいました。

「この間の男でしょう」

「そうかも知れません。森の中で懐中電燈をつけて、何だか探していたのです」