Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こはんていじけん

湖畔亭事件

江戸川 乱歩

Lisez 湖畔亭事件 (こはんていじけん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 335 caractères · 137 écrans

Aozora Bunko

二十八

「そこで、今度は私の犯人捜索の顛末ですが」河野が代って説明を初めました。「先ず第一にこの短刀です。御覧なさい。刃先に妙なしみがついて居ります。よく見れば血痕だということが分るのです」

全体が汚れて黒ずんでいるため、よく見ないと分らぬ程でしたが、その刃先には黒く血痕らしいものが附着しています。

「鏡に映ったのと同じ型の短刀で、その先に血がついているのですから、これが殺人の兇器だことは明白です。ところで、私はこの短刀をどこから発見したと思います」

河野は幾分勿体ぶって、言葉を切ると、私達の顔をジロジロと見比べるのでした。

二十八

河野が汚れた短刀を片手に、私達の顔を眺め廻した時、咄嗟の場合、私の頭には、その短刀の持主であるべき、嫌疑者の容貌が次々と現れては消えました。トランクの男、宿の主人、松村という長吉の檀那、懐中電燈の男……そして、最後まで残ったのはやっぱり彼の強慾なる湖畔亭のあるじでした。今河野の口を洩れる名は、必ず彼に相違ないと信じていました。ところが、河野は意外にも、私を初めかつて疑いをかけなかった飛んでもない一人の人物を名指したではありませんか。