Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おぼるるもの
溺るるもの
豊島 与志雄
Lisez 溺るるもの (おぼるるもの) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 690 caractères · 36 écrans
中程に何か積んで蓆を被せられて、流れのない汚水の上に舟縁低く繋ぎ捨てられている。それでも時々位置は変っていた。
赤煉瓦と亜鉛板とで出来てる荒々しい幾棟かの工場が、掘割の上に大きな影を落していた。煙筒からは煙が出てるが、建物は静まり返っていた。機械の音も職工等の気配も、その内部で窒息してしまってるかのようで、永遠に休業して立朽れしてるのか、或い死の工場ででもあるようだった。
その工場の囲壁に沿って、掘割の縁を、私は考え込みながら歩いていった。それから、橋を渡って彼女の家の方へ折れこむあたりまで来ると、ひとりでに足が早くなった。
彼女に近づくに従って、新らしい生活が私の胸にぴったりきた。
実際、そこの掘割と工場とは、私の過去七年間の生活と何かしら似通ってるものを持っていた。
愈々図書館生活に別れを告げることになった時、私は坐り馴れた卓子に両肱をついて、深い感慨に沈んだのだった。二月初旬の淡い日脚が、窓から床まで斜に落ちていた。その明るい角※(「土へん+壽」、第3水準1-15-67)を除いて、室の中には淋しい影が立罩めていた。影の中で、数人の同僚が、自働人形のように黙々と働き続けていた。