Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おぼるるもの
溺るるもの
豊島 与志雄
Lisez 溺るるもの (おぼるるもの) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 690 caractères · 36 écrans
そして次にあの人に逢った時、あたしは涙をおさえてあの人の肩に縋りついた。
「今日はあたし、あんたの側を一寸も離れない、離れたくない。」
「本当か。」とあの人は云った。
その調子が余り強かったので、あたしは返事に迷った。するとあの人は笑いだした。
「喜代ちゃん、これからどこかへ酒を飲みに行こう。君を酔っ払わしてみたいんだ。」
あたしは何だか腑に落ちなくてあの人の顔を眺めた。あの人はほんとに晴々とした眼をしていた。
三 或る不良少年の話
三月の末近い頃のことだ。俺は向島の牛天神の方から、言問橋をぬけて浅草の六区へ急いだ。もう夜の九時頃だった。そして活動がはねるまでに向うへ着かなくちゃならなかった。用があった。
言問橋が出来たてのことで、橋の手前のガードになってる下をぬけて、大川沿いに作られてる広い道は、高い柱に取りつけた電燈がぽつりぽつりと光ってるだけで、殆んど通る人もなかった。だが、向う岸の待乳山一帯の灯が川に映って、華かだった。電柱の影にかくれてカフェーの中を覗きこむようなものだ。
俺は急いでいた。すると、向うから薄暗がりの中に、一組の人影が浮出してきた。