Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぼくとうきだん

濹東綺譚

永井 荷風

Lisez 濹東綺譚 (ぼくとうきだん) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 57 666 caractères · 114 écrans

Aozora Bunko

わたくしは箸を擱くと共にすぐさま門を出で、遠く千住なり亀井戸なり、足の向く方へ行って見るつもりで、一先電車で雷門まで往くと、丁度折好く来合せたのは寺島玉の井としてある乗合自動車である。

吾妻橋をわたり、広い道を左に折れて源森橋をわたり、真直に秋葉神社の前を過ぎて、また姑く行くと車は線路の踏切でとまった。踏切の両側には柵を前にして円タクや自転車が幾輛となく、貸物列車のゆるゆる通り過るのを待っていたが、歩く人は案外少く、貧家の子供が幾組となく群をなして遊んでいる。降りて見ると、白髯橋から亀井戸の方へ走る広い道が十文字に交錯している。ところどころ草の生えた空地があるのと、家並が低いのとで、どの道も見分のつかぬほど同じように見え、行先はどこへ続くのやら、何となく物淋しい気がする。

わたくしは種田先生が家族を棄てて世を忍ぶ処を、この辺の裏町にして置いたら、玉の井の盛場も程近いので、結末の趣向をつけるにも都合がよかろうと考え、一町ほど歩いて狭い横道へ曲って見た。自転車も小脇に荷物をつけたものは、摺れちがう事が出来ないくらいな狭い道で、五六歩行くごとに曲っているが、両側とも割合に小綺麗な耳門のある借家が並んでいて、勤先からの帰りとも見える洋服の男や女が一人二人ずつ前後して歩いて行く。