Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぼくとうきだん
濹東綺譚
永井 荷風
Lisez 濹東綺譚 (ぼくとうきだん) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 57 666 caractères · 114 écrans
実は今日鳩ヶ谷の市へ行ったんだがね、妙な物を買った。昔の物はいいね。さし当り捌口はないんだが見るとつい道楽がしたくなる奴さ。」
禿頭は風呂敷包を解き、女物らしい小紋の単衣と胴抜の長襦袢を出して見せた。小紋は鼠地の小浜ちりめん、胴抜の袖にした友禅染も一寸変ったものではあるが、いずれも維新前後のものらしく特に古代という程の品ではない。
然し浮世絵肉筆物の表装とか、近頃はやる手文庫の中張りとか、又草双紙の帙などに用いたら案外いいかも知れないと思ったので、其場の出来心からわたくしは古雑誌の勘定をするついでに胴抜の長襦袢一枚を買取り、坊主頭の亭主が芳譚雑誌の合本と共に紙包にしてくれるのを抱えて外へ出た。
日本堤を往復する乗合自動車に乗るつもりで、わたくしは暫く大門前の停留場に立っていたが、流しの円タクに声をかけられるのが煩いので、もと来た裏通へ曲り、電車と円タクの通らない薄暗い横町を択み択み歩いて行くと、忽ち樹の間から言問橋の灯が見えるあたりへ出た。川端の公園は物騒だと聞いていたので、川の岸までは行かず、電燈の明るい小径に沿うて、鎖の引廻してある其上に腰をかけた。