Classiques japonais avec furigana
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
Lisez 照葉狂言 (てりはきょうげん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 49 730 caractères · 100 écrans
節句の粽貰いしが、五把の中に篠ばかりなるが二ツありき。杏、青梅、李など、幼き時は欲しきものよ。広岡の庭には実のなる樹ども夥多ありし、中にも何とかいう一種李の実の、またなく甘かりしを今も忘れず。継母の目のなきひまに、姉上の潜に取りて、両手に堆く盛りてわが袂に入れたまいしが、袖の振あきたれば、喜び勇みて走り帰る道すがら大方は振り落して、食べむと思うに二ツ三ツよりぞ多からざりける。
継母はわずかに柿の実二ツくれたり。その一顆は渋かりき。他の一顆を味わむとせしに、真紅の色の黒ずみたる、台なきは、虫のつけるなり。熟せしものにはあらず、毒なればとて、亡き母棄てさせたまいぬ。
いつなりけむ、母上の給いたる梨の、核ばかりになりしを地に棄てしを見て、彼処の継母眉を顰め、その重宝なるもの投ぐることかは、磨りおろして汁をこそ飲むべけれと、老実だちてわれに言えりしことあり。
さる継母に養わるる姉上の身の思わるるに、いい知らず悲しくなりて、かくはわれ小銀の譚に泣きしなる。その理由を語るべき我が舌は余り稚かりき。
「まあ、こうなんですよ。お嬢様、ちょいと御覧なさいまし、子供ですねえ。