Classiques japonais avec furigana
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きょうかしあかちょこべえ
狂歌師赤猪口兵衛
夢野 久作
Lisez 狂歌師赤猪口兵衛 (きょうかしあかちょこべえ) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 418 caractères · 79 écrans
赤猪口兵衛は余りに唐突な話に肝を潰したらしい。赤い鼻の頭が白くなる程、顔色を変えた。膝小僧を剥き出しにして破れ畳の上を乗出した。それに釣込まれるように半三郎も、両手を突いたまま真青になった。
「……実正……実正どころでは御座いません。今朝ほど、今すこし前のまだ暗いうちに、御城内から大至急の赤札付きの御差紙が参りまして、年老っておりまする父、半左エ門へ即刻、出頭せいとの御沙汰で御座います。てっきり蔵元屋騒動のかかり合いと察しました私ども一家の驚きと悲歎のほど御察し下さいませ。取付く島もないままに来合わせました良助さんの分別を問うてみますと、イヤイヤ。これはお咎めの筋ではあるまい。別段、心配する程のことではあるまいが、これはとも角、一応、赤猪口兵衛様の御知恵を借りてその通りに分別する方が、間違いがのうて宜しかろうとの事で……」
「ヘエ。良助さんがさよう申しましたか。私のことを……」
「さようで……只今お縋り申すのは貴方様ばっかり。もしや父は下手人の疑いで引かれたのではないかと……」
「ははあ……良助どんはそのお差紙を見ましたか」
「いいえ。誰にも見せませぬ。