Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ひぶん

碑文

豊島 与志雄

Lisez 碑文 (ひぶん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 294 caractères · 27 écrans

Aozora Bunko

あともう一週間ばかりでしょう。」

「だけど、僕はなんだか、伯父さんに逢うのが怖いような気がするんだ。」

「どうしてでしょう。」

「君にすっかり話そうかどうしようかと、随分迷ったけれど、やはり出立前に話しておこうときめたんだ。さっき君は、どんなことにも驚かないといったね。」

「ええ、その通りよ。」

「では打明けるがね、驚いちゃいけないよ。徐和が死んだ時のことだ。僕はなんだかあの池のことが気になり、奇怪な太湖石のこともへんに眼について、あの時、窓からのび上がって、庭の方を覗いていた。すると、誰か、あの太湖石の方へ忍びよってゆく者がある。暫くすると、その男が、両手で太湖石を池の中へ押し倒した。そしてあの椿事だ。あの大きな岩が、セメントで固めてあった筈の岩が、容易くころげ落ちたのも不思議だが、その男が、岩を押し落し、身をかわすが早いか、ぱっと逃げ去った、その素早さには、僕は驚嘆してしまった。その男を、君は誰だと思うかい。」

「お分りになったの。」

「それが、伯父さんじゃないか。」

「まあ、お父様が……そんなことを……。」

崔冷紅は顔色を変えて、石のように固くなりました。