Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たちがれ

立枯れ

豊島 与志雄

Lisez 立枯れ (たちがれ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 613 caractères · 41 écrans

Aozora Bunko

水の底にでも沈んでゆくような感じだった。しいんとなる……。そして何だか大きな声がしたので、眼を上げると、あんまりよく知りすぎ馴れすぎてるキミ子の顔が、その温い息で、上から蔽いかぶさろうとしてるようだった。彼は突然立上って、さようならと、自分で諾くように軽く会釈をして、茫然と佇んでる彼女の手を取り、その街路のまんなかで、二三度強く打振って、それから、通りがかりの自動車にとび乗ったのである。

そして彼は今、書斎にのんびりと寝ころんで、電燈の光の下で、ばらばらの紙片を、珍らしそうに調べるのであった。置戸棚の抽出の一つに、折にふれて物を書きとめた紙片が投げこまれていて、もうそれが随分たまってるのを、何ということもなく、取出してみたのである。短い感想や、詩みたいなものの断片や、単なる覚え書や、いろんな符諜や……よくもまあこの男は、役にも立たないものを書き散らしたものだった。全く訳の分らないものもあった。その代り、人前に出せないような秘密なものは一つもなかった。世間体を考慮する……というより寧ろ、本能的に体面を守って、怪しげなことは一切闇に葬ったのに違いなかった。