Classiques japonais avec furigana
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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
Lisez 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 73 583 caractères · 149 écrans
歔欷く仁王像
一
一
――まあ、なんて清吉は色が白いのだろう。
黴臭い匂いのこもった土蔵の二階である。鎧櫃や長持や用箪笥を積重ねた狭い片隅に、じっと身をひそめていたお通は、今しも階下から自分を捜しに来た清吉の姿を、そっと覗きながら口の内で呟いた。
――眼も大きくて綺麗だし、髪も漆のように艶々と美しいし、まるで女の子みたいだわ。
しかしそういうお通も近所で評判の縹緻好しだった。……日本橋通油町で有名な骨董商、和泉屋治兵衛の一粒種で今年十三歳、下ぶくれの京人形のような面差しに、大好きな唐人髷がよく似合って、伝説の赫夜姫とはこういう美しさかと思われるくらいであった。
清吉は二つ違いの十五、お通とは従兄妹同志に当たる孤児で、十の年から店へ引取られ、小僧たちと一緒に働いている、口数の少ない利口な性質で皆からも可愛がられていたが、殊にお通はいつも側から離さず、双六だの手毬だのと、なくてはならぬ遊び相手にしていた。……今日もこうして朝から、子供のように隠れんぼうをして遊んでいるのだった。
「変だなあ、ここじゃないのかしら」
捜しあぐねて清吉が呟いた。
「たしかに二階へ来たと思ったんだけど」