Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きくちよしょう

菊千代抄

山本 周五郎

Lisez 菊千代抄 (きくちよしょう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 178 caractères · 72 écrans

Aozora Bunko

十

世捨て人になるつもりで来たのだ。父もそれを知っていた筈なのに、いまさらなぜこんなことをいうのか。そういう気持であった。

「伴れて来た五人はそれぞれ芸達者だ、なかでも葦屋と申すのが気はしもきくし、またいろいろ世間も知っているので相手には面白いであろう、まず、ともかくも披露させよう」

それから酒宴になった。

腰元たちは美しく化粧して、着飾って、琴、三味線、笛、鼓などそれぞれの芸をみせ、唄もうたい踊もおどった。葦屋というのはもう二十二三であろう、小柄のきりっと緊ったからだつきで顔かたちもよく、立ち居の動作もきびきびしていた。得意なのは鼓らしいが、琴も笛も巧みである。そしてほかの四人を自在に指揮して、酒宴の席を絶えず飽かせないように、ゆき届いた心くばりをみせた。

嵩間に訴訟があって来たので、暇がないからと云いわけのように断わって、父は一夜だけ泊ると帰っていった。

十

腰元たちが来て二十日あまりは、慥かに身のまわりが華やいで、賑やかでもあるし気がまぎれた。父によくいいつけられたとみえ、葦屋はほとんど付ききりだった。性分もよほど敏感なのだろう、絶えず側にいて、菊千代の望むことはたいてい先へ先へとまわってした。