Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おちむしゃにっき
落武者日記
山本 周五郎
Lisez 落武者日記 (おちむしゃにっき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 460 caractères · 23 écrans
「わたくし本当にはらはら致しました」
娘は男と並んで歩きながら詫び言をうち消すように云った。
「あなたさまは、治部の殿さまのお行方を御存じないはずでございましょう……それなのに、あんなに幾度も知っているとおっしゃって。もし、拷問などにかかったらどうあそばすおつもりでございました」
「……ああ云うほかに言葉がなかったのです」
祐八郎は苦く笑いながらいった。
「さむらいともある者が、しかも戦場で、自分の主君をみうしなった、ゆくえを知らぬと云うことができますか。……たとえ責め殺されても、知らぬとは云えないことです」
「まあ……わたくし、気付きませんでした」
娘は武士の生きかたの厳しさに、いまさらながら驚きと尊敬とを感じた。
「そのお立派なお覚悟が、こうして無事に出ておいでになる元だったのですね。もうこれで安心でございますね、お約束どおり、わたくしの家へおいでくださいますでしょう?」
「あなたの家へ?」
祐八郎は振返ったが、すぐ元気な声で、
「そうです、まいりましょう」
と云って笑った。
「この傷では動きがとれません、しばらく御厄介になって、百姓のお手伝いでもするとしましょう」