Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Lisez 蓼喰う虫 (たでくうむし) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 110 066 caractères · 216 écrans
「お早う、―――いつまで寝てるんです?」
「何時、もう?」
「十二時」
「うそよ、そんなじゃあないことよ、まだやっと十時頃よ」
「驚いたなあ、このお天気によく今時分まで寝ていられるなあ」
「ふ、ふ、―――寝坊をするのにもいいお天気よ」
「第一お客様に対して失礼じゃないですか」
「お客様だと思っていないから大丈夫だわ」
「いいから早く顔を洗って降りていらっしゃい。あなたにもお土産があるんだから」
窓を見上げている高夏の顔は、梅の枝に遮られていた。
「その犬?」
「うん、こいつが目下上海で大流行の奴なんだ」
「素敵でしょ、お母さん、この犬はほんとうはお母さんが連れて歩くといいんですって」
「どうして?」
「グレイハウンドという奴は、西洋では婦人の装飾犬になっているんだ。つまり此奴を引っ張って歩くと一層美人に見えるんだな」
「あたしでも美人に見えて?」
「もちろん見えます、請け合います」
「だけど随分きゃしゃな犬ねえ。そんなのを連れて歩いたら、尚更此方が太っちょに見えちまうわ」
「犬の方でそう云うだろう、この奥様は吾輩の装飾になるって」
「覚えてらっしゃい」
「あはははは」
と、弘も一緒になって笑った。