Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くらのにかい
蔵の二階
豊島 与志雄
Lisez 蔵の二階 (くらのにかい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 351 caractères · 27 écrans
カヨは髪を染めることをせず、もうだいぶ白毛も目立ってきたが、その赤らんだ半白の束髪のうしろに、真白な仔猫が乗っかってるさまは、いささか奇異な感じである。
「この頃、お母さんはなんだかへんですね。どうなすったんでしょう。」と久子は桂介に言った。
庭というほどの作りは何もない傍の空地には、大きな石灯籠が一つあり、大きな庭石が幾つも残っている。春先のことで、暖い日など、カヨはそこに出て、石の上に腰をおろし、日向ぼっこをしながら、じっと思いに沈んでることがある。肩には仔猫が乗っている。猫はその辺を駆け廻ろうともせず、彼女の肩に乗っかったまま、やはり日向ぼっこをしながら、時に頭を動かして、あちこち眺め渡している。カヨと猫は一体で、カヨは物を考え、猫は物を探索してるかのようだ。
怪しいことがある、とカヨは言いだしていた。耳がおかしいと言いだした、その後のことである。耳の方は、夜中に時計の音がいつも一つしか聞こえなくとも、それは錯覚としてもよく、裏の笹藪のかすかな音まで聞こえるとしても、それも錯覚としてもよかった。だが、耳についで、眼もおかしくなった。
二階の窓には、鉄格子の内側に、新たに硝子戸が取り付けてある。