Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くらのにかい
蔵の二階
豊島 与志雄
Lisez 蔵の二階 (くらのにかい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 351 caractères · 27 écrans
神社仏閣にわざわざお詣りすることなど、昔は殆んどなかった。近頃になって、一乗寺に時たま出かけるが、仏道に帰依してるわけではない。写経に凝りだしたのも、特別な求道心からではない。すべて、外部的な形式的な支柱、そういった趣きがある。ただ、そのような支柱を必要とするほど、必死に縋りつこうとするものが内に在るらしい。内に在るそのものの邪魔になる場合には、逆に、写経の巻物など破り捨てるかも知れない。
深川の不動様も、それが目的ではなかったらしい。帰って来て、カヨは言った。
「久しぶりに、両国橋の上から、大川を見てきました。」
そして久子が初めて聞くような話をした。カヨの祖母にあたるひと、白木家の長命なお婆さんが、巣鴨のとげぬき地蔵様をたいへん信仰して、そのお札を一万枚、供養のため、両国橋の上から大川に流したことがある。お札には、地蔵様のお姿が捺印されている。捺印の版木と墨は家にあった。版木を一万枚おすのは大変なことだった。それを祈祷してもらって、大川に流したのである。その地蔵様の版木はどうなったか、いくら探しても見えないが、誰かお嫁に行く時にでも持って行ったのであろう。